第55期:陸上自衛隊高等工科学校の卒業式で、地元、横須賀出身である小泉進次郎氏の祝辞は、メモを読むこともない7分間という、堂々としたスピーチで、感動の涙を誘う素晴らしいものでした。
是非あなたも、卒業式で語った小泉進次郎の演説を、一句たりとも見逃さずに、噛み砕いてみてください。
きっと、涙を誘うことでしょう!
小泉進次郎の祝辞(書き起こし)
219名の第55期の皆さん、卒業おめでとうございます。
またご家族、保護者の皆さん、教職員、学校長をはじめ、多くの関係者の皆さんに対しても、ご卒業お喜びを申し上げます。
私は1年前の卒業式のことを忘れることができません。
3月13日、震災の2日後、同じこの会場で卒業式が行われました。
卒業式の間、保護者の皆さんが持っている携帯電話が鳴り、大きくはなかったですが地震の揺れも感じました。
震災の2日後で、まだ緊張感を持っている。そういう卒業式でありました。
卒業生の皆さんは、いまの在校生が座っている席にいたと思います。
そして去年は保護者の席に、いくつか空いている席がありました。
震災の影響でお子さんの卒業式に駆けつけることができなかった、多くの保護者の方がいらっしゃいました。
そのことを考えたときに、今日このように多くの方が一同に会して、219名の卒業生の皆さんをお祝いできることを私も心から嬉しく思います。
横須賀で生活をしていると、いろいろな場面で、本校の生徒さんとお会いする機会があります。
震災後、横須賀中央駅の前で街頭募金をやっていたときに、生徒さんが何人か募金をしてくれたことを私はいまでも覚えております。
皆さんが外出を許されたときに、横須賀で遊んでいるときに、たまたま会って、私が「高工生でしょ?」と言うと、「なんでわかるんですか?」「雰囲気でわかるよ」 そういって笑いあったこともいまでも覚えています。
私は皆さんを見ると、「これからの自衛隊、これからの日本は大丈夫」という希望を持ちます。
特に東北の被災地の皆さんは、今回の震災を機にどれだけ皆さんに対して感謝の念を持っているか、希望を感じているか。
卒業生の皆さんの中で、まだ1度も被災地に足を運んでない方がいたら、ぜひ機会を見つけて、自分の目で、自分の肌でそれを感じてきていただきたいと思います。
昨日、午後2時46分、多くの人が世界中の方が黙祷を捧げていました。
私は宮城県の女川町で黙祷をしていました。
皆さんの先輩である陸上自衛隊の方は南スーダンのジュマで現地時間の朝8時46分、日本の東北の方角を向いて、黙祷を捧げていました。
この震災で皆さんの活動が評価され、期待がかつてないほど高まっている。
喜ばしいことでございますが、同時に、期待というのは評価というのは積み重ねるのは大変だけれど、それを失うのはあっという間でもあります。
どうか、これから未来の自衛隊を担う皆さんは、自信を持っていままで築きあげた自衛隊の評価を、そして高等工科学校の歴史を受け継いで、胸を張って、自信をもって活動をしていただきたいと思います。
皆さんもおそらく子どものころ、夢があったと思います。
私も夢がありました。当時はプロ野球選手になりたかった。
いまではまったく違う世界にいます。皆さんもそうかもしれません。
いま自分が自衛隊の道に進む。それを予想していなかったかもしれません。
いま被災地の子どもたちに、「夢はなんですか?」「将来何になりたいですか?」そう聞いたときに、皆さんの姿があるはずです。
人の命を助けたい、困ったときに人の役に立つために、自衛隊になりたい。そういう将来の日本を担う世代が出てきている。
その人たちに恥じることがないような自衛隊の姿をこれから見せていただきたいと思います。
私たち政治家は皆さんに恥じることのない政治の信頼を高めていくための努力を最大限に務めていきたいと思います。
最後に私が一言申し上げたいのは、自衛隊の道をこれから選ばなかった5名。
依願退職をなされた5名の皆さん。
私はその5名の皆さんが両肩に担っている使命は非常に大きいと思っています。
多くの国民は高等工科学校という存在を知りません。
皆さんのような年でこれだけの日々を、厳しい訓練を乗り越え、社会に出る皆さんの存在を知りません。
その皆さんの存在を社会に届ける、そしてこの本校で学んだことをこれから民間の世界で生かし、活躍される5名の皆さんは、3年間学んだこと、そして同期がこれからも自衛隊で頑張る姿を、多くの出会う皆さんに伝えてください。
それが皆さんの役割です。
それを思うと、自衛隊の道をこれからも進む多くの方、そしてそうではない方、私は両方とも大きな意義があると思います。
これからもこの横須賀に住む者として、地元に高等工科学校を持つことを誇りに思っています。
またそれに感謝をして、皆さんの活躍を応援していきたいと思います。
最後になりますが、皆さんの今後のご活躍、そして任務中、また社会の中でご健康とご多幸を祈念して、卒業のご挨拶と代えさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。
出典:https://matome.naver.jp/odai/2135598069227859201
まとめ
小泉進次郎氏の演説、講演やスピーチでは、『わかりやすい』『惹きつける』など、ここのところ絶大な評価と人気があります。
決して、特別な言葉を使って語りかけているようには思えませんが、一つ一つが重くのしかかるように感じてしまうのは、ゆっくりと真実を述べて、知っていただくというような雰囲気を、かもし出しているからかもしれません。
何故なら、固い言葉でも気持ちよく心に入ってくるからです。
少なくとも私にはそう感じて、感動の涙を誘いました。
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