お祝いの気持ちを込めて贈る、ご祝儀の「のし袋の表書き」ですが、「こんな時は・・・?」と迷ってしまうことってありませんか?
私たちの普段の生活の中では、いろいろなおつきあいがあるものです。
そのためお祝いするときも、私的以外に、家族であったり友人、同僚、会社など、様々な立場で贈る場面に遭遇するからです。
例えば、友人3人でお祝いするとしたらどうでしょう!
のし袋の表書きは、どのように書いたらいいのか?と、迷ってしまうのではないでしょうか?
そこで今回は、こうした様々な場面でも役立つ、「のし袋の表書き7つの基本」を、テンプレートとしてご紹介します。
のし袋の表書きで、困ったときはここを読んでいただければ、すぐに解決できると思います。
なお、弔事の場合も、使う墨の色は別ですが、表書きの基本は変わりませんので、お役立てください。
のし袋表書きの基礎
表書きのテンプレートをご紹介する前に、ちょっとだけ基礎を学んで頂きたいと思います。
気持ちが伝わるよう心を込めて書く
表書きを書くときに最も大切なことは、心を込めて書くことです。
当前のことのようですが、形式やルールにばかり気をとられていると、ついつい「まごころ」を忘れてしまいます。
自信がなくても心を込めて丁寧に書けば、自然と気持ちの伝わる表書きになるはずです。
頂いた側に、気持ちが伝わらないことほど悲しいことはありません。
是非、心がけるようにしましょう!
毛筆を使うのがマナー
使い慣れていない毛筆よりも、フェルトペンの方が書きやすいという人もいます。
でも、改まった表書きでは、やはり毛筆で書くのが礼儀になります。
毛筆がもしだめなら、筆ペンを使うようにしましょう。
ボールペンやカラーペンは使わないようにします。
慶事は濃く、弔事は薄く書くのが決まり
毛筆による表書きは、慶事と弔事ではすみの濃さを変えて書くのが基本です。
慶事(お祝い事)の場合は、すみは濃くはっきりと書きます。
逆に弔事の場合は薄い墨を使い、悲しみの涙で薄まったことを表すのが習わしです。
表書きの基本スタイル
まず全体のバランスを考えて書くことです。
上段中央に表書きを書き、下段中央に氏名を書くのが基本のスタイルです。
氏名は、表書きよりも、心持ち小さめの字で書きます。
上と下の空きが同じになるように書くと、全体のバランスが良くなります。
書体は、読みやすい楷書(かいしょ)がベストです。
「寿」だけは行書でもよいとされていますが、相手が同僚や目下の場合に限られます。
表書き7つ基本テンプレート
お待たせしました。いよいよ本番の、表書き7つ基本テンプレートのご紹介です。
肩書きを入れるとき
同姓同名の人がいるとき、氏名だけでわかりにくいときなどは、会社名や肩書き、あるいは住所を書き添えるとよいでしょう。
指名の右側に小さめの字で書きます。
連名の時
目上の人の氏名を右側に書き、次に上位の人から順に左へと書き並べます。
ただし、3名くらいが限度です。
特に改まった場合で、表を汚したくないときなどは、短冊を用います。
なお、順序に迷うときは、五十音順に並べても構いません。
宛名を入れるとき
宛名は、普通は書きいれません。
宛名を書くケースは、多数の中の特定の1人に贈る場合や、相手が特に親しい友人、または目下の人のときなどです。
この場合、宛名は左の上に書きます。
宛名を入れて連盟の時
左上に書いた宛名に近い方、つまり左側の下には目上の人の氏名を書き、次に上位の人から順に、右へと書き並べます。
宛名のない連盟の書き方と逆になるので、注意してください。
この場合は、名前は中央に書いてもよいでしょう。
そのほうがバランスが取れます。
短冊を使うとき
のしや水引の飾りが豪華だったり、しぼ「注1」の強い檀紙(だんし)「注2」を使ってあり表書きが書き難い場合は、短冊を使います。
短冊は奉書紙を使い、表書きを書いて水引に挟み込みます。
なるべく表書きの見やすい位置にはさむようにしましょう。
※注1.しぼ(織り糸の縒(よ)りぐあいによって出す、織物の細かいちぢれ)
※注2.檀紙(和紙の一種で、厚手で、ちりめんのようなしわがあるもの)
名刺を貼るとき
名刺を貼るのは略式ですが、このほうがわかりやすく好ましいという場合、左下に貼ります。
グループや仲間で贈るとき
グループなど人数が多く、連盟ではゆとりを持って書くことができない場合は、代表者の氏名を書いた左側に「外一同」と書き添えます。
全員の氏名は、半紙か奉書紙など別紙に書いて、中包に入れます。
全員の氏名の順序は、目上の人が右にくるよう書きますが、上下関係がないなら、五十音順に書くこともできます。
まとめ
いかがでしたか?
現代では、筆を持つ習慣があまりないため、不得手という方も多いのではないでしょうか?
しかし、マナーとしてのし袋の表書きは、筆を使うのが基本です。
癒やしとしても、墨と筆を手に取り書いてみてはいかがでしょうか?
筆ペンでもいいですので、一度時間を使って書いてみてください。意外と心が落ち着きます。
下手でもいいので、筆は力強く勢いをつけて書くのがコツです。
最近はニュースタイルと呼べる祝儀、不祝儀袋たくさん出回ってきました。
伝統を踏まえつつ、折り方や水引に凝ったもの、カラフルな色遣いのものなど様々です。
特に、慶事の祝儀袋はバリエーションが豊富で、横型のものまであります。
この場合の表書は、もちろん横書きになりますが、書く順序の基本は縦書きと同じです。
真ん中から左へを、上からしたへと書きます。
弔事のときは、薄墨を使いますが、表書きの基本は同じです。

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